健診で「血圧高め」と言われたら?放置のリスクと早めの治療が大切な理由
健康診断の結果で「高血圧」や「要再検査・要治療」と指摘されても、「特に痛くもかゆくもないし、元気に過ごせているから大丈夫」とそのまま様子を見てしまっていませんか?
血圧とは心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力のことです。
血圧の高さは、心臓が血液を押し出す力と血管の拡張で決まります。血管の弾力性も関係しています。
正常血圧は125/75mmHgとされています。上は心臓が血液を送り出すために収縮した時の強い力、下は心臓が拡張してその力が弱まったときです。
家庭での血圧が135/85mmHg、診察室(病院)での血圧が140/90mmHgを1回ではなく、常に記録する状態が高血圧症とされています。
血管の本来の姿は、新しく柔らかい「ゴムホース」のようなものです。しなやかに伸び縮みすることで、心臓から送り出される血液の衝撃をやわらげています。しかし、高血圧の状態が続くと、強い圧力が常にかかり続けるため、血管は硬く厚くなり、次第に弾力性を失っていきます。
長年使ってきて、きちんと手入れもせず放置されて、カチカチに硬くなった古いゴムホースは少し折り曲げただけでヒビが入ったり、水圧に耐え切れずに破裂したりしてしまいますよね。高血圧を放置するというのは、まさに「自分の全身の血管(頭から足の先まで張り巡らされた)を、カチカチのゴムホースに変えていってしまうこと」と同じなのです。
高血圧の最も恐ろしい点は、初期の段階では自覚症状がほとんどないことです。しかし、症状がないからといって体内で何も起きていないわけではありません。
硬く脆くなった血管は、ある日突然、強い血圧に耐え切れずに破れて出血を起こしたり、内側が狭くなって詰まったりします。これが頭で起きれば脳出血や脳梗塞、心臓で起きれば心筋梗塞、腎臓で起きれば人工透析が必要になる腎不全です。血管は全身に張り巡らされているからこそ、一度硬くなると体のあらゆる場所でトラブルを引き起こします。
「まだ症状がないから」と先延ばしにせず、早期に治療を開始することが何より重要です。高血圧の指摘を受けたら、先ずは、毎日(特に朝)自宅での血圧測定を行うことが大切です。
早い段階で正しく介入できれば、血管にかかる負担を減らし、ゴムホースが劣化していくようなスピードを大幅に遅らせることができます。すでに傷つき始めている血管のダメージを最小限に止め、しなやかさを守ることで、将来の重大な病気のリスクを下げることができるのです。
血圧は、腎臓や神経系、内分泌系、血管内皮からの物質など、身体の中の様々な因子によって調整されています。気温や室温、精神的緊張、さらには塩分も重要な要素です。
「治療」というと「直ちに薬を処方される」「一生薬を飲み続けなければならない」のではと不安に思われるかもしれません。しかし高血圧との指摘を受けたら、先ず塩分を控える食事や適度な運動といった生活習慣の見直しを行うことで改善するケースが多くあります。残念ながら薬を使うようになった場合も、状態に合わせ、最小限で最適な処方を調整します。
銀座医院の外来では、健診結果をもとに現在の血管の状態やリスクを丁寧に評価し、無理のない最適なプランをご提案いたします。健診結果は、ご自身の血管を守るための大切なサインです。お気軽にご相談いただければと思います。

