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健康診断の結果を受け取ったものの、数字の羅列でよく分からない、という方も多いと思いますが、各項目の見方が分かれば、健康維持・増進に活用できます。
何となく分かっている方も、そうでない方も、もう一度健康診断の項目について確認して、参考にしてみてください。

身体計測・感覚器
BMI 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)25を超えると肥満と判定されます。
標準体重 身長(m)×身長(m)×22
聴力 高い音と低い音の聞こえ方により、難聴の有無、程度を調べます。
眼底 網膜の血管や視神経乳頭を観察し、緑内障、視神経疾患、高血圧、糖尿病などの診断をします。
眼圧 眼球内圧を調べる検査で、緑内障の早期発見などを目的としています。
骨密度 骨の強さを確認する検査です。骨粗鬆症のリスクがわかります。
呼吸器・循環器
肺機能 肺活量や一秒率(一秒間で息をどれくらい吐き出せるか)などの肺機能を調べます。肺気腫、喘息、慢性気管支炎では減少します。
胸部レントゲン 肺疾患の有無や心臓の形態などがわかります。
血圧 低血圧や高血圧といった血圧の状態を調べます。高血圧は放置すると動脈硬化を進行させ、脳梗塞、心筋梗塞、腎障害などを引き起こします。低血圧はだるさや耳鳴り・動悸・息切れ・貧血などを起こします。
心電図 不整脈・狭心症・心肥大・心筋梗塞などの診断に役立ちます。
消化管
上部消化管内視鏡 食道、胃、十二指腸を観察します。必要に応じ粘膜の一部を採取し組織診断を行います。
上部消化管X線 バリウムを飲み、X線で食道、胃、十二指腸の性状を調べます。
ペプシノゲン 胃がんのスクリーニング検査で、粘膜の萎縮の広がり、炎症の有無がわかります。
ヘリコバクターピロリ菌抗体 胃がんの危険因子とされているピロリ菌の感染の有無を調べます。
便
便潜血反応 大腸、直腸、肛門などの下部消化管からの出血の有無を調べます。
超音波
上腹部超音波 肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓など腹部臓器の形態異常を調べます。
血液一般・貧血
白血球数 炎症、血液疾患などで増加します。また喫煙者は増加することがあります。
赤血球数 貧血の診断に用います。鉄分の摂取不足・造血機能の障害・悪性腫瘍・消化管出血・子宮筋腫などによる月経過多などで減少します。
ヘモグロビン 赤血球の構成成分で体中に酸素を運ぶ役目があります。鉄欠乏や貧血の診断に有用です。
ヘマトクリット 血液に含まれる赤血球のバランスを調べます。貧血の診断に有用です。
血小板 ケガなどの時に血液を固める働きをします。高度の肝機能障害がある場合にも低下します。
血清鉄 減少すると鉄欠乏性貧血になります。ヘモグロビンの合成成分です。
尿一般
尿蛋白 腎障害・腎炎の診断に役立ちます。激しい運動や精神的興奮でも陽性となる場合があります。
尿糖 陽性の場合は糖尿病の存在が強く疑われます。
ウロビリノーゲン (±)が正常です。肝機能障害や溶血性貧血などで(+)となり、便秘などでも(+)となります。胆汁が何らかの原因により腸内に排泄されないと(-)となります。
尿潜血 腎臓・尿管・膀胱・前立腺・尿道系での炎症や結石、腫瘍で陽性となります。高血圧や激しい運動の後にも陽性となることがあります。
尿沈査
尿沈査 尿中の固形成分(血球・細胞・細菌など)を顕微鏡で調べ、腎臓の障害、尿路感染症などの診断に用います。
電解質
Na(ナトリウム)
K(カリウム)
Cl(クロール)
血液中のイオン濃度を調べ、脱水や体内のバランス異常を調べます。
腎機能
尿素窒素(BUN) 血液中に含まれる老廃物で、腎臓から排出されます。進行した腎機能障害で数値が上昇し、高たんぱく食や激しい運動などでも上昇することもあります。
クレアチニン 筋肉運動の老廃物で通常は尿として排出されますが、腎機能障害などで数値が上昇します。
肝機能
総蛋白 血液中に含まれる蛋白質の総量です。肝障害や悪性腫瘍、栄養障害があると数値が低下します。
アルブミン 肝臓で作られる蛋白で、肝障害・低栄養・ネフローゼなどで低下します。
A/G比 アルブミン(体の材料になる蛋白)とグロブリン(免疫にかかわる蛋白)の比です。肝障害・炎症反応・悪性腫瘍などで低下します。
総ビリルビン 胆汁の成分で、肝臓疾患・胆道疾患などで数値が上昇します。
AST(GOT)
ALT(GPT)
共に肝臓に多く含まれる酵素で、ASTとALTの検査値から肝障害の度合いが分かります。
コリンエステラーゼ 肝炎・肝硬変・低栄養・悪性疾患・貧血などで低下します。
γ-GTP アルコール常飲者では数値が上昇します。
ALP
LAP
LDH
肝障害や胆道系、骨、筋肉の障害等で上昇します。病的かどうかは、AST・ALT等とあわせて判断します。
代謝(脂質・糖尿・痛風)
総コレステロール
中性脂肪
多すぎると動脈硬化を起こし、心臓病や脳血管障害の原因となります。
HDLコレステロール 善玉コレステロールといわれ、血管にたまったコレステロールを取り除き、動脈硬化を予防します。
LDLコレステロール 悪玉コレステロールといわれ、動脈硬化を促進します。
血糖 高値では糖尿病の可能性があります。
HbA1C 過去1~2ヶ月間の血糖値の平均を反映し、糖尿病治療の指標になります。
尿酸 プリン体代謝の最終産物です。飲酒・肥満・肉食・腎機能障害などで上昇し、痛風・尿路結石・腎機能障害・動脈硬化の原因になります。
甲状腺
TSH 甲状腺ホルモンの分泌を促進するホルモンで、甲状腺疾患の有無を判断します。
FT4・FT3 甲状腺から分泌されるホルモンで、甲状腺機能亢進症で高値、機能低下症で低値を示します。
腫瘍マーカー

がんの進行とともに増加する因子を腫瘍マーカーと呼びます。ただし喫煙・妊娠・加齢・良性腫瘍等でも数値が上昇することがあり、陰性でも癌が無いとは言い切れません。スクリーニングとしては有用ですが確定診断ではありません。

AFP 肝臓がん
CEA 甲状腺がん・肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん
CA19-9 胃がん・大腸がん・膵臓がん・胆のうがん
PSA 前立腺がん(前立腺肥大でも上昇します)
CA125 卵巣がん
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