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熱中症について

 

 

暑い日が続く季節になりました。この時期に気をつけていただきたいのが、熱中症です。
熱中症とは、高温・多湿の環境によって、生命を維持する体温調節の働きに異常が起こる病気です。

 

高温時の体温調節:発汗

気温が上昇すると、人間の身体は体温を一定に保とうとして、汗をかきます。一般に液体が気体となり蒸発する時には熱が必要であり、その熱を周りから奪います。汗が皮膚から蒸発する時にもこの機構が働いて、皮膚から熱を奪い体温の上昇を防いでいます。
ところが、汗の量が多くなり体内の水分量が不足してくると、体温の調節に充分な汗をかけなくなり、体温が上昇を始めます。これが熱中症の状態で、対処が遅いと体温が40℃以上に上り、脳をはじめとする多くの臓器に障害が起き、放置しておくと死に至るという最悪の結果になってしまいます。

 

高温・多湿の環境が危険

熱中症になりやすい環境が、発汗を促す「高温」であることは容易に考えられますが、もう一つ重要な状態は湿度が高い、つまり「多湿」という状態です。湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなり、皮膚から熱が奪われにくくなってしまうからです。特に高齢者は、それほど気温が高くなくても、多湿というだけで熱中症にかかってしまうことがあります。

 

熱中症の予防:水分補給

熱中症を予防するのに必要なのは、発汗によって体温の上昇を防ぐことです。それには汗の元となる体内の水分を充分に補給することが大切です。補給する水分は、水か、麦茶などカフェインの入っていないお茶が良いでしょう。スポーツドリンクはナトリウムや糖分が含まれていて、摂りすぎると高血圧や体重の増加を招く可能性があるので、熱中症の予防という意味では第一選択とは言えません。

ただ、熱中症にかかってしまった時は塩分も失っているので、ナトリウムの補給は必要です。カフェインは利尿効果がありますから、カフェインを含む飲料を飲んでも、せっかく摂った水分を汗でなく尿として失ってしまいます。

 

暑さ指数(WBGT(湿球黒球温度):Wet Bulb Globe Temperature)

もちろん、熱中症を予防することの基本は、暑い日中の外出を避けることです。どうしても外出しなくてはいけない時は暑さ指数(WBGT) を参考にして下さい。これは気温だけでなく熱中症の発症に影響する 湿度と日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境を取り入れた指標です。 これが高い時は帽子をかぶるとか、水分を充分補給する、日陰を選んで行動するなど熱中症にならないよう注意をしてください。それぞれの地域のWBGTについての情報は>環境省のサイトに出ています。

皆さんも熱中症にならないよう、水分の補給などに注意して、楽しい夏を過ごしてください。

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